全てが嘘になる瞬間

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ある日、キボムが風邪を引いた。 風邪が移るといけないから、個室にキボムを寝かせた。 最初は傍で看病してたけど、途中からテミナを引っ張って、キボムの傍から離れた。 「ミノヒョンは、酷い人だなぁ」 キスの途中で、テミナがそう言った。 「ふふ、でしょ?」 そう言って、また、 テミナの唇を塞いだ。 キボムの元へ戻る途中に、ジンギヒョンに、「テミナは?」と聞かれた。 (嗚呼、そういえば、ジンギヒョンはテミナのことが、) 俺は心で笑いながら、 「部屋にいるんじゃないですか?」と言った。 「ミノ、ミノ、」 俺がテレビを見てると、小さな声でキボムに呼ばれた。 「はい、はい」と、キボムに駆け寄ると、「喉が、乾いた」とキボムが言うから、水を持ってきて、キボムに渡した。 そしたら、「飲ませて」なんていうから、「移るかもしれないじゃん」て言ったら「ごめん」なんて言うから。仕方なく。 「口、あけて、」 キボムの口の中へ、水を運んでやると、キボムが、すん、と鼻を鳴らした。 「テミナの、臭いがする。」 まさかそんなこと言われると思ってなかったから。 「さっき、部屋でた時に途中で話したから」 て、言ったけど、キボムは少し疑いの目で、「本当に話しただけ?」と聞いてきた。 (嗚呼、予想外)俺が少し困った顔で、 「本当だよ」 って言ったら、機嫌悪そうにして、「自分で飲む」って言って俺の手からコップを奪いとった。 (結局、ですか、まぁいいけど。) つまらなさそうに部屋を出ようとしたら、「ミノ、行かないで」って言われた。 (なにそれ、キボムのくせに。) しばらくしてキボムがまた眠りについたから、ため息をついてソファに寝転ぶと、突然ドアがあいて、テミナが顔をだした。 「ジンギヒョンが、うざいから、かくまって」 (嗚呼、可哀想なジンギヒョン) 「かくまるっていっても、キボム、いるし」 「だめ?びっくりするキボムヒョンの顔、見たくない?」 (びっくりって、バラすつもりはないのだけど) ――--ちょっと、見たくなってしまって。 (好奇心て、こわい、ね)
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