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「だからっ!俺はアリスなんて名前じゃねぇーーっ!」
いきなりだが…今現在、俺は走ってる。
…いや、正確には逃げてる。
何でかって…?
んなもん、何か変なウサ耳野郎が追いかけて来るからだよっ!
しかも何かアリスアリスって連発しながら追いかけて来るし!
あ…断っておくが、俺の名前はアリスなんて名前じゃねぇぞ?
「ア~リ~ス~!」
なのに、こういう具合にアリスアリスと叫びながら追いかけて来やがる…!
「俺はアリスじゃねぇっつってんだろーがっ!」
「どこからどう見てもアリスですよ~?」
事の始まり…元凶は、気紛れに出した親切心だった…――。
俺が買い物に行こうと道を歩いてたら…目の前に、白…いや、どっちかっつーと白銀?の髪の男が居た。
何か探してるっぽくて周りに話しかけながら地面を見てる。
服装は普通になんか、赤い蝶ネクタイに灰色のチョッキを着てた。あと、何か縁のない眼鏡をかけてる。
だけど…出来ればかかわり合いにはなりたくなかった。
だって、頭にウサギ耳付けてんだぜ?
何のつもりで付けてんのかは知らねぇけど…かなりかかわり合いになりたくないタイプだ。
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