呼吸

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「んで、その家出少女は今ど……」 「おい貴様コラ、俺を誰だか知らねぇのか!今すぐ出ていかねぇとぶち殺すぞ!!」 ダイクが話題を戻そうとするが、話の腰を折るように横やりを入れられ、2人は声の主を睨む。 黒髪の青年ダイクは、その声の主である荒くれ男を睨みながら立ち上がる。 「よぉ、バックに軍隊でもついてんのか?糞じじい」 小馬鹿にされ、荒くれは顔を真っ赤にしてキレる。 「んだとゴラァ上等だぁ!!テメェは二度と歩けねぇ体にして軍隊のホ○共に売り飛ばしてやる!!」 「おい、阿呆! 構うなこんな酔っぱらいに…… めんどくせぇだろ……って、うっふぁ!」 銃声。 アランが半ば呆れながら仲裁するより数秒ほど早く銃撃戦が始まった。 店内に他の客はいなかったが、だいぶ歳を重ねた老マスターが悲惨な悲鳴を漏らしながら奥へ逃げ込んだ。 店主の居なくなったカウンターに転がり込み、ダイクが応戦する。 すかさずアランも、テーブルと椅子をひっくり返し、盾にして隠れる。 あまりに本格的に銃撃戦を続ける2人を見ながら(多少はアランも狙われて攻撃されたが)アランが叫ぶ。 「いい加減にしろ!!おれは帰るぞ!! おい!後は勝手にしやがれ!おれは先に行くからな! あと、会計も貴様だ!」 「任せろアラン!せめて金は置いていってほしいがな!ぶぁははは!死ね死ねしねしねぇ!!」 半分遊び感覚のダイクとは裏腹に、荒くれの攻撃の手が止まり、顔に恐怖の色が映る。 「ちょっ!ま、まて……そこのガキ まさかお前がドラグーン・Fの!?おい! 冗談だろ!?」 その言葉を聞いたアランは舌打ちをしながら、「やれやれ」と言わんばかり 「ああ アンタもよく知る、悪名高きアラン・オッズ様だよこの野郎……!!」 ひどく疲れた顔で荒くれに近寄り、一瞬で踵落としを荒くれの頭にお見舞いして そして一撃でケリをつけた。 (ついでにダイクにも一撃くれてやった)
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