それぞれの情事

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誠二くんにとっても寂しい思いをさせてしまうんだ。ごめんね、誠二くん。罪な私を許して下さい……っと、変な妄想入るところだった。 掃除が終わったらお買い物行かなきゃ。今日の夕飯は何にしようかなー。 「い、いらっしゃいませ!」 「ダメだぞ後輩、そんなんじゃ。顔がひきつっておる。どれ、同じ高校のよしみ、私がお手本を見せてやろう」 今は園田先輩から接客指導を受けている。 さっき記念すべき最初のお客さんを接客した時に、緊張でカチコチになってしまったんだ。 あまり人見知りはしない方だとは思うんだけど、やっぱり仕事となると違うんだな。 失敗しないように、失敗しないように、なんて思っていたら逆に縮こまってしまった。 「いらっしゃいませー!何かお探しですか?」 園田先輩が元気にお客さんに対応している。素晴らしい営業スマイルだ。 「あ、それでしたらこちらにございます!他にも何かありましたらお声をお掛け下さいね♪」 スゴい、手慣れている。当たり前っちゃ当たり前なんだけど、それが当たり前になるのにどれくらいかかるんだ?
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