178人が本棚に入れています
本棚に追加
「う、ううん。前にバンドやってたから、が、楽器のことは少しわかってたんだけど…接客業はこ、ここが初めて」
「バンドっすか!?わからないもんだなぁ。何やってたんですか?」
「……ボ、ボーカルと…ギター…」
「ボーカル!?先輩が!?」
「そ、そうだよ」
「うへぇ……」
ホント、わっからないもんだなぁ。こんなに人見知りするのに人前で歌ってたんだ…。
「あ、あと、敬語いらないからね。同い年だから…」
「えっ!?」
た、確かに歳聞いてないし若いとは思ってたけど…。
「新人ー!休憩入れー!」
あっ、もうお昼か。
「じ、じゃあお先に」
「う、うん。ゆっくり休んで」
そして裏のスタッフルームへ。
それにしてもタメだったなんてな。でも先輩は先輩だから、失礼のないように。
スタッフルームにはロッカーが並べられていて、小さなテレビがついていた。
五畳くらいの部屋で真ん中に四角いテーブルが置いてあった。
今、そこにめぐが作ってくれた弁当を広げてるんだ。
オレが食べ切れる範囲の食材で栄養を考え、色あいまでばっちりだ。
最初のコメントを投稿しよう!