それぞれの情事

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「おっ、なんだいなんだい愛妻弁当かい?いやー、羨ましいねぇ」 「あっ、園田先輩も今からですか?」 「おうよ!ご一緒させてもらうぜい!」 ホント、この人は元気な人だ。落ち込む姿なんて見れたらレアだろうな。 「彼女?まさかそれを自分で作ったとか?」 「彼女ですよ。一緒に住んでるんです」 「くわぁー!若いのに大人な生活してるねぇ!」 「先輩こそ、彼氏はいないんですか?」 「ぐっ…そ、それを聞くのかい?」 「あっ…いや…」 園田先輩は思い切り顔をしかめて言った。 いないのか?いないんだろうな、結構かわいいのに。 「いやぁ、どうも男女関係ってやつに疎くてねぇ。しばらくいないさねぇ」 「じゃあ、前はいたんですね」 「ぐあぁぁ!そ、そこまで聞くか!聞きたいかい?聞きたいのかい?私のにがーい青春時代ってやつを!覚悟しなぁ…悲しみのどん底に突き落とすぜー…」 「ま、また今度にします」 「うむ、それがいい。とても涙なしには語れねぇんだぁ」 おぅ、すでに涙が…。こりゃ相当な目にあってきたんだろうな。今後も触れないでおこう。
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