それぞれの情事

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「さー、それではぁ、椿誠二くんの歓迎を祝してぇ……かんぱーい!」 「「「かんぱーい!」」」 「か、乾杯…」 今、オレが手にしているのはビールのジョッキ。ノンアルコールではなく、間違いなく本物の酒だ。 居酒屋で席に着くやいなや「生5杯!」の声が。 その注文に耳を疑いながらもここにいる人数を確認した。 間違いなくオレを含めて5人だ。 そしてオレは未成年だ。 そしてもちろん神崎さんも未成年だ。 しかし、平然とビールをうまそうに飲んでいる。 「どうした、椿くん。飲まないのか?」 「花澤店長、そう当たり前のように言いますけど、当たり前のようにオレ未成年なんですけど?」 「それがどうした?」 何を言っている?というふうな顔で聞いてくる花澤店長。 いや、あなたが何を言っている? 「居酒屋……。それは我々にとっての憩いの場でありオアシス。ここでは上司も部下もない、無礼講だ。 飲め、椿くん。店長命令だ」 いや、あんた今上司も部下もないって…! 「椿ー!飲めー!気持ち良くなれるぞー?」 うわっ、坂本先輩すでに二杯目!
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