178人が本棚に入れています
本棚に追加
「さー、それではぁ、椿誠二くんの歓迎を祝してぇ……かんぱーい!」
「「「かんぱーい!」」」
「か、乾杯…」
今、オレが手にしているのはビールのジョッキ。ノンアルコールではなく、間違いなく本物の酒だ。
居酒屋で席に着くやいなや「生5杯!」の声が。
その注文に耳を疑いながらもここにいる人数を確認した。
間違いなくオレを含めて5人だ。
そしてオレは未成年だ。
そしてもちろん神崎さんも未成年だ。
しかし、平然とビールをうまそうに飲んでいる。
「どうした、椿くん。飲まないのか?」
「花澤店長、そう当たり前のように言いますけど、当たり前のようにオレ未成年なんですけど?」
「それがどうした?」
何を言っている?というふうな顔で聞いてくる花澤店長。
いや、あなたが何を言っている?
「居酒屋……。それは我々にとっての憩いの場でありオアシス。ここでは上司も部下もない、無礼講だ。
飲め、椿くん。店長命令だ」
いや、あんた今上司も部下もないって…!
「椿ー!飲めー!気持ち良くなれるぞー?」
うわっ、坂本先輩すでに二杯目!
最初のコメントを投稿しよう!