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しかしアキトが決断するよりも早く、彼はその刀を振り抜く
一直線に縦に脳天から股下まで狂いなく躊躇いなど微塵も感じさせずに、その砕けた表情からは殺意すらも感じはしないが、ただアキトを斬る為だけに振り下ろされた
そんな一撃をアキトが避けられたのは一種の奇跡だろう
振り上げられた刹那にアキトは恐怖からか勢いよく後退ったのがたまたま上手く働いた
これが突きならばアキトは今頃ただの蛋白質だっただろう
後で獣達が美味しく戴きましたってオチになってそうだ
だが世の中そんなに甘くない
一撃目が有れば当然二撃目もある訳であり、彼は何故か嬉々とした表情で「やるねぇ」と言いながら今度は横斜め下から首、動脈を狙って斬撃を繰り出す
それとほぼ同時に
「待って!!認めるから!!死んだの認めるから待って!!待って!!!」
まさにアキトの命がけの咆哮であった
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