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「………んっ」
目を覚ますと、いつも通り俺の部屋の天井が見えた。
えらく不吉な夢を見た…
俺が事故って、琴美と竜が何度も俺を呼ぶんだ。
でも、俺は全く目を覚まさなかった。
泣きじゃくる竜。
ぼーっと俺の顔を見て、静かに涙を流す琴美…
そんな二人を見て、やけに心が痛んだ。
ただの夢なのにな。はは
あ、今何時なんだ?
俺は時計を見る。
………え?
昼の、12:26…?
会社遅刻じゃん!!!
俺はバッと起き上がり、クローゼッとを乱暴に開けた。
やべぇぇぇえ!
「琴美!
何で起こしてくれないんだよ!」
………返事なし。
何だよ、無視かよ…
俺、泣いちゃうぞ!
俺はセカセカと準備を終え、部屋を出ようとした。
かちゃっ
いきなりドアが開く。
「あ、琴美?」
いるなら返事してくれればいいのに。
でも、ドアから出て来たのは…
「…いえ、琴美さんではありません。
使用人です。」
………誰かなぁ。
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