契約

2/2
前へ
/51ページ
次へ
「今から説明をします。 長いので寝ずに聞いて下さいね。」 使用人はニコッと笑った。 初めての顔だ。 「では… あなたはある契約にサインをすることで、1ヶ月間だけ元いた世界に戻ることが出来ます。」 俺は少しでも聞き落とさないように、耳を真剣に傾けた。 「しかし、これには条件が4つ揃わなければなりません。」 「条件?」 「はい。 一つ目は、即死だということ。 二つ目は、あの世に心残りがあるということ。 三つ目は、体を1ヶ月間貸してくれる人を見つけなければならないということ(異性のみ)。 四つ目は、もしあの世に戻れたとき、毎日日記に記録すること。 以上です。」 「あのさ…三つ目の、異性のみっていうのが気になるんだけど。」 俺の異性ってことは、女って事だよな…? 俺、男の姿で戻れないってこと? 「私も理由はよく知らないのですが、何でか異性のみとなっているのです。」 …だめじゃん、使用人! ってことは、自分の姿で戻ることは出来ないんだよな… いや、この際贅沢なんて言ってられないな。 「龍次様、それでもあなたは契約に同意をしますか…?」 答えはもちろん… 「します!!!」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加