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少しずつ積もる雪。
それを待ち望んでいたかのように、徐々に小さな子供たちが姿を現す。
悴む寒さも忘れ、雪だるまを作ったり。
ソリで丘を下ったり。
親子で雪合戦をしたりしていた。
「良いな…………」
消え入るような声で呟いた芽衣。
それは誰にも聞こえる事は無く、目の前の硝子を曇らせる。
「………」
何気なく、曇った窓に字を書いた。
『病気』
不意に訪れた"ソレ"は、普通を普通でなくした…。
うっすらと涙を浮かべ、袖で擦り消す。
「…私の病気も、こんな簡単に消えれば良いのに……」
意味の無い事と解っていても、何度も擦った。
何度も、何度も……。
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