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「こんにちは」
身を乗り出し顔を覗かせたのは、自分と同じくらいの年齢の少年だった。
整った眉に、少し高めの鼻。
猫目がちな瞳は綺麗なブラウン。
少しだけ厚めな唇が、どこか情を感じさせる。
「…こんにちは」
不審げに見つめる芽衣に、少年は再び言った。
「………誰?」
素っ気なく言う芽衣だったが、応えてくれたのが嬉しかったのか、少年は笑顔で名乗る。
「僕は桜良(サクラ)、木の桜に良好の良で桜良。女の子みたいな名前だけど、れっきとした男だよ」
涼やかに微笑む少年に、一瞬だけ心臓が高鳴った。
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