black・亮

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キーンコーンカーンコーン― 4時間目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。 俺はカバンから弁当を取り出して 君のいる場所へ行く。 「ゆなちゃん、弁当一緒に食べようや?」 既に友達と話をしながら弁当を食べていたゆなちゃんを呼び出した。 「‥うん、いいよ」 ゆなちゃんは友達に一声かけると 食べかけの弁当を持ち立ち上がった。 「‥どこ行く?屋上でええか」 「うん…」 ゆなちゃんは俺の一歩後ろを歩きながら 小さく言った。 別に 俺に友達がおらんワケとちゃうで? ただゆなちゃんと1秒でも長く一緒に過ごしたいから。 俺は… この学校に入学した時からゆなちゃんが好きやった。 可愛くて こんな俺にも優しくしてくれた。 顔目当てなんかやない。 心から優しくしてくれた。 やけど‥ ゆなちゃんが見てたのは俺やない 大倉やった。 ゆなちゃんは俺が自分に好意を寄せてるってこと薄々気付いてるみたいで 少し引き気味で俺と話をしたりしてた。 今更好きなんて言えなくて どうせフラれるんやったら… "友達"のままでいたかった。
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