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「…うっ‥すばっ…」
吐いた息が白く染まる。
そんな季節に‥
あなたはまるで雪のように儚く消えてしまった。
「こころちゃん‥しっかり…」
今にも倒れてしまいそうな体を大倉君に支えられ
何とか立ち上がる。
周りを見渡せば
みんな下を向いて泣いている。
私はすばるの眠る棺桶に身を寄せた。
「…辛かったよね‥痛かったよね…苦しかったよね‥っ」
原因は事故だった。
すばるの歩いていた歩道に
たまたま飲酒運転の車が突っ込んだ。
その日はちょうどクリスマス。
すばるは私に内緒でプレゼントを買ってくれていたみたいで
すばるのお母さんが
所々血の染み付いた白い箱を渡してくれた。
「こころちゃん…そろそろやから…」
「嫌っ‥やめてっ。…すばるを連れて逝かないで!」
私は人目も気にせず泣き叫んだ。
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