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2日目‥。
すばるがここにいられる最後の日。
今日は家でゆっくりすることにした。
「あ‥なぁ、あの箱持っとる?」
「え‥指輪の‥?」
「おん」
「うん。持ってるよ」
私は引き出しから箱を取り出した。
「…あーあ。めっちゃ血ぃついて‥。ホンマはもっと綺麗やってんで?」
「‥ん‥」
切なそうに言うすばるに胸が締め付けられた。
実はこの箱‥
私はまだ1度も開けたことがない。
何だか怖かったんだ…。
「こん中…指輪入ってなかったやろ‥?」
「え‥?そうなの?私…まだ開けたことなくて‥」
「そか‥。んなら良かった。俺、そのまま持っていってもてな」
そう言ってすばるは
ポケットから何かを取り出した。
「あ‥」
「これ…。去年のクリスマス、お前にはめたるつもりやったんに‥」
悔しそうにそう言った。
「すばる‥」
「ほら、手ぇかして」
すばるは私の手に
キラキラ輝く指輪をつけてくれた。
「‥きれー‥」
ギュ…
「ホンマ…俺、お前のこと愛してるわ…。辛い思いさせてごめんな?」
「ううん…。すばるのが辛いよ…」
「俺…ずっとここにいれるワケやないから…お前を守ったること出来へんけど‥」
「うん‥?」
「‥死ぬなんてアホなことすんな。俺の分まで、お前が生きろ。俺はいつでも待っとるから。焦んな。ゆっくり、ゆっくりでええから。な?」
真剣な瞳でそう言って
力強く私を抱きしめた。
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