45人が本棚に入れています
本棚に追加
俺も健やアキと大学に通いたいと思ってない訳じゃない。
なのに、俺は素直じゃない言葉しか言えない。
「確かに勝手だな・・・」
「なんだよー。お前は俺と亜季奈と同じ大学行きたくないのかよー」
健は子供みたいに口を尖らせていた。
昔からこんな感じだ。
アキは健のこんなところが好きなのかもな・・・。
俺も健のこの性格に何度も救われた。
でも、その性格がたまに憎く感じるのも確かだ。
俺はギターを置いて、健の肩に手を置く。
「そうとは言ってないだろ・・・いいから帰って課題やれって」
俺がふざけたように笑えば、健も人懐っこい笑顔を見せる。
「わかったよー。拓巳くんは冷たいな」
「うるせー」
健はおとなしく帰って行った。
帰りぎわに振り向いて『じゃーなー』と手を振る健。
その様子を見て、笑顔になった。
俺も手を振り返す。
最初のコメントを投稿しよう!