Rainy

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俺も健やアキと大学に通いたいと思ってない訳じゃない。 なのに、俺は素直じゃない言葉しか言えない。 「確かに勝手だな・・・」 「なんだよー。お前は俺と亜季奈と同じ大学行きたくないのかよー」 健は子供みたいに口を尖らせていた。 昔からこんな感じだ。 アキは健のこんなところが好きなのかもな・・・。 俺も健のこの性格に何度も救われた。 でも、その性格がたまに憎く感じるのも確かだ。 俺はギターを置いて、健の肩に手を置く。 「そうとは言ってないだろ・・・いいから帰って課題やれって」 俺がふざけたように笑えば、健も人懐っこい笑顔を見せる。 「わかったよー。拓巳くんは冷たいな」 「うるせー」 健はおとなしく帰って行った。 帰りぎわに振り向いて『じゃーなー』と手を振る健。 その様子を見て、笑顔になった。 俺も手を振り返す。
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