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姉「そうだ、暇だから映画見に行かないか?」
私「え!? 高速三十分飛ばして下道更に三十分かかる映画館に行くんですか?」
姉「別に良かろ? 暇なんだし」
私「と言いますか、よく私と映画見に行きますけど、彼氏さんとかとは行かないんですか?」
姉「……彼氏なんていねぇよ。喧嘩売ってるのか? チケット代で買うぞこら」
私「いや……そんなつもりは微塵も……。と言いますか、私映画館でトラウマあるんで何か行きにくいんですよね」
姉「ん? 何かあったの?」
私「ん? ……えぇ。前、姉さんと映画鑑賞に行った際、姉さんがトイレに行ってる間私外で待ってたじゃないですか」
姉「うんうん、そうだったね。で?」
私「ベンチに座って待ってたんですけど、近くの女子高生が集団でワイワイ盛り上がってたんですよ。おくりびとの話で」
私「あぁ五月蠅いなぁ。遊んでないで部活しろよなぁ、とか思いながら聞き耳をたてていたんですが、一人の女子高生が私をを指さして『あの人、テニミュのあの人に似てない?』とかほざきだしたんですよ」
姉「ん? テニミュって何?」
私「えっと、婦女子大好き某テニス格闘漫画のミュージカルです」
姉「あぁ、あのコシマエか」
私「えらく詳しいですね。それから周りの奴等が『本当だ! てか本物じゃない?』みたいな脳みそとろけた事言い出してですね、集団でジリジリと近づいてきたんですよ。直ぐに車に逃げましたけどね」
姉「そういやお前、あの時車で膝抱えてたな。それが原因か」
私「えぇ、だからあんまりあそこ行きたくないんですよ」
姉「そうか……行きにモスバーガー寄るけど?」
私「行きましょう! オニオンリングが私を待ってます!」
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