逃げちゃだめ

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「ねぇ、私の事好きでしょ?好きだよね?好きじゃなきゃおかしいもん。愛されちゃってるよ私」 包丁が抜かれる。そこまで深くなかったのか、それとも場所が良かったのか、思ってたほどの痛みはなかったが、痛いものは痛いのだ。今にも泣きたいくらいに。 「これからは一緒、ずっと一緒。一生面倒みて、一生お世話してあげる」 僕は動けない。僕の人生も、固定されて動けない。 僕にはもう、なにも残されていない。
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