花鳥風月

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広がる青い空と白い雲 野原に広がる色とりどりの花が風に揺られ踊るように右へ左へえと靡いている。 そんな幻想的な風景の中に、一人の女性が気持ち良さそうに大の字になって寝転がっている。 白いドレスに身を包み、瞳の色は王家にだけ継がれる紅い瞳。 彼女が気持ち良さそうに寝返りを打つと傍にいた白い鎧を身に纏った騎士が不意に声をかけた。 「フルール姫。そろそろ、行かなければなりません。」 「シュル。誰も居ない時は、ユリイって呼んでっていつも言っているじゃない!」 「しかし、ユリイ。今日はダメです。東の帝国との休戦合意の正式なパーティーが開かれるんですから。」 「パーティーばっかりで嫌だよ!」 「ユリイ…。ダメです。ほら馬車が到着しましたよ。公国に戻ります。こんな場所ではいつ魔物が現れるか…」 「もぅ…シュルはいっつもケチで心配症何だから!」 「何と言われようとも俺はユリイの護衛だからな。危険な目には逢わせられないんだよ。」 ユリイは手をシュルに差し延べるとシュルがその手を掴み立たせる。 そのまま二人は馬車に乗り込むと馬車は公国に向かって走って行った。
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