花鳥風月

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白い煉瓦作りの建物は、城の敷地内の一番端っこに位置し兵士達の修練場や採用試験の会場にもなっている。 「セルシア―…。まさかこれ全員新人兵士じゃ…無い訳無いよな…。」 「はい。勿論です。」 セルシアは、その悪気無しの笑みでシュルを真っすぐに見る。 「よしッ!殺るかッ!」 「程々にお願いします。」 そう言って、シュルとセルシアは修練場に入っていく。 修練場の中は、四面の対戦場と一個師団が常駐できる広さを有していた。 「集合。」 鶴の一声と言った所かセルシアの声で修練場に居た新兵達が集まって来る。 若い奴らから年配に到るまで、色々な年層が入り混じっている。装備もまちまちで斧や剣、細剣に到るまでそれぞれの個性が出ている。 「こちらは、公女殿下直属近衛師団団長のシュリール=ベルである。」 セルシアの紹介に預かったシュルは前に一歩踏み出して全員の顔を見渡して言う。 「今回、君達の教習主導あたるシュリール=ベルだ。年は17歳君達よりは年は若いが実力はあると思う。よろしく。」 その言葉に周りの兵士達はざわめく。 シュルだけの力では鎮まらないと見たのか、セルシアを見る。 セルシアは笑いながらこちらを見ているだけで何もしようとはしない。 「はぁ…。わかった。俺と勝負しよう。不満がある奴からかかって来い。」
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