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「次は~、東京、東京です」
「東京の次は…ー」
「お乗換えは…ー」
ガタンっと衝撃が起きてそれで目が覚めた。
プシュー、ガッコン。
ドアが開く特有の音を聞き、寝ぼけ眼で外を見た。
「いまどこだ……?」
「東……、東京じゃん!!」
おれは慌てて優を叩き起こして足早に新幹線をでた。
「ここどこ~?」
目を擦りながら優が言った。まだウトウトしてやがる。
「東京に
着いたんだよ!!」
なんだかんだでおれは東京が楽しみだった。
なぜって?
北海道には、特におれの家の周りには何もなかったからだ。
あるのはせいぜい
皮肉ったらしのしげじいのやってる八百屋さんと、紅さんのやってるスーパーマーケットぐらいだ。
おれは心晴れやかに顔を上げた。
「ほら、優。これが東ー…」
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