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広い道路を優の手を引きながら歩いて行く……。
優はまたウトウトし始めていた。
「しょうがないやつだなぁ…。」
そう言いながら迷は優をおぶってやった。
道はまだまだ続く。
その間、迷はなんとなく新幹線のおばちゃんを思い出していた。
「ほんとよく喋るおばさんだったなぁ」
「挙句の果てにおれのこと''まよいちゃん''なんて、男を…ちゃん・・づけで………?」
迷はハッとした。
「いや待て……!!」
「おれ、自分の名前一回も言ってないぞ?」
全身の毛が逆立つ。
同時に、激しい悪寒を感じた。
………。
あのおばさんが何者なのかは分からないが、
ここ東京には何か。とてつもなく巨大な何かがあると迷は直感した。
今思えば、これが全てのきっかけだったのかもしれない……。
しかし、それを迷が知るのはまだまだ先のお話……ー。
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