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迷は優を背負いながら近代都市東京を歩いて行く。
よく考えて見るとおかしな町だ。
みんなスーツを身にまとい、カバン片手にズンズン歩いている。
取り付かれたように急いでいる。
会話なんて何もない。
肩が当たる度に舌打ちや睨みの応酬。
「ちっ」
中年の眼鏡を掛けたサラリーマンが迷にぶつかった。
「ごめんなさーい。」
迷はとりあえず謝った。
一度は夢見たこの町は………、
狭苦しくて、少し冷たかった。
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