天真爛漫に社長令嬢に一般市民

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真菜と真央は中学からの付き合いだった。人は皆マナカナみたいにマナマオと呼んでいる。そらとは高校で知り合った。そらは真菜の黒い髪の毛が好きだ。そらは真央の地毛の茶髪が好きだ。 桜祭のお話はもう少し先のお話。 「真菜、真菜。大丈夫だよ。私が居るよ」 真菜の真央はそう言って励まし続けた。いつしかは、真央は励まさずいじめる側だった。真菜はイジメにあっていた。机には【死ね】の落書き。髪を引っ張られるなんて日常茶飯事。もう嫌だ。いっそ楽になってしまおうか。屋上は高かったよね?この運動神経ならフェンスなんて楽勝。未練なんか無い。もう充分だよ、真菜は疲れたよ…母さん父さん。愛してくれてありがとう、クラスの皆、真菜をいじめて快感だったのなら真菜は頑張ったよね?私にはもう未来はないよ― 真菜はフェンスを越えた。 「バイバイ、ありがとう」 一言告げればいきなり怒声が飛び込んだ。 「そらは嫌だよ!?真菜が居なくなっちゃうなんて…何がありがとう、バイバイなの!?そらは真菜が居てくれたから今があるの。初めて今話してるから今がある」 「そらが連れて来てくれたの」 真央は言った。 「無視してごめんっ」 こんな出会いだけど真菜とそらは出会った。この時真央との絆は深まった。 そらとはこの時初めて話した。 しょうもない事だけど… ―今があるのはそらのおかげ
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