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でも、いつまでも襖と壁に挟まれているわけにもいかない。
すごすごと襖をどけようとしたら、ふわっと襖が軽くなった。
「元の場所に戻せばいいっすか?」
「ああ、すまんのぉ。孫の所為で外れてしもーて」
あああ……あたしの所為ですと!?
ぬけぬけと、どの口が言うか!
抜けてるのは髪の毛だけで充分よ!!
言い返そうとしたけど、襖がどかされ、『お客様』とご対面したあたしの口からは空気しか出なかった。
「あのあのあなあああ」
パニックもそりゃ起こすさ。
だって、そこにいたのはキンパツ男。
「ん? 知り合いだったんか?」
さっきまで戦闘モードだったおじいちゃんが、至って穏やかに言う。
「なら話は早いのー。蓮香、ほれ、この人が許婚だよーん」
WHAT?
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