シナモン♥2

3/47
前へ
/702ページ
次へ
部屋に戻り、ベッドにダイビングして、枕代わりにしているビーズクッションに顔を埋める。 ……お父さんとお母さんがいたら、許婚なんて許さなかっただろうに。 なんて、考えても仕方のないことを考えてしまう。 あー、やだ。 ネガティブなあたしはあたしらしくなくて、それでまた落ち込んでしまう。 よしっ、こんな時こそお風呂にでも入って、リフレッシュしよう! 桐の箪笥から、ピンクのレースが付いた、お気に入りの下着を出す。 ーーコンッ ドアが鳴ってあたしを呼ぶ。 開けながら 「なーに? おじいちゃんお腹でも空いたの?」 「誰がじいちゃんだよ。おっ、ピンクのレース! 俺のために履くの?」 握ったままだった下着を指差す沖田君がそこに居た。 慌てて手を後ろに回し、下着を背中に隠す。 (そうだったー!! コイツがいたんだった) 不覚をとってお気にの下着を見せてしまった恥ずかしさと、軽い態度の沖田君が気に喰わなくて睨みつけた。 「なにか用?」 .
/702ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5767人が本棚に入れています
本棚に追加