○月×日

2/2
73人が本棚に入れています
本棚に追加
/202ページ
 よく、普通って言葉を聞く。  普通に家族で仲良く暮らして。  普通に友達と笑い話をして。  普通に好きな人ができて。  それが幸せだって、皆言う。  皆、必死になって幸せになろうとしてる。  まあ、それをひがんで、『それは幸せになろうとしているんじゃない。不幸せになりたくないだけだ』なんていう人も居るが、まあそれはあくまで一つの意見として横に置いておこう。  肝心なことは、普通、それすなわち幸せだというこの概念。  友達と話す幸せ。  一人たそがれる幸せ。  達成する幸せ。  達成した人を見る幸せ。  努力してつかむ幸せ。  何気ない幸せ。  悲しみの先に有る幸せ。  ただそこにある幸せ。  変わらない幸せ。  新しい幸せ。  自分の幸せ。  他人の幸せ。  ――結局のところさ。  これほど多岐にわたり、難しい、決して答えの出ない、それでも皆が皆、求め続けるものは無いんだと思う。  だから俺は、これを記すことにした。  俺と、俺の幸せについて、これが一つの答えであるような気がしたから。
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!