君色の花/第2章

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「…太子がこっち(冥界)に来てから 下界の時間で言うと、 今日で丁度3年… だねえ。 …まだ立ち直れてないんだ?」 「………。」 「ふ―ん。 それにしてもすごいねえ 妹ちゃんは。 毎日毎日太子のお墓に 手紙とお花を供えて… あ、その赤いお花は、 アネモネだね」 「アネ…モネ…?」 「もしかして知らなかった? アネモネ、はかなくも美しい花。」 「僕はただ… 太子が好きそうな… 綺麗な花だと思って」 「そう。 ねえ、アネモネの花言葉 って、知ってる?」 「……?」 「辛抱、はかない夢、薄れゆく希望…」 「な…! …やめて下さい」 「…はかない恋、恋の苦し…」 「っ!!!…やめろ!」 僕は閻魔の言葉を遮るように大声を上げた。  
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