序章

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「っふん!所詮、外見が変わっただけで他には何も変わっていないのだろう。どちらにしろ我の敵ではないわ!」 ガルゼは吠えるように言うが、イリアはガルゼを静かに睨むように見つめる。 そして、再び胸の前で手を組み念じた。 今度は、床全体に白い魔法陣が表れそこから白い光が漏れ出した。 それは次第に仲間達を包み込む。 「天の恵みをここに!!」 その言葉が合図になり、光は弾け粒子となって消えた。 そして、次は、魔王に向かって手を伸ばす。 イリアの首下にある十字架のペンダントの紅い宝石部分が強く光輝き始め、魔王の足元にも白く、光の粒子が舞い上がっている魔法陣が現れ魔王は動くことが出来なくなった。 そして、魔王はそのまま光に包まれる。 「くっそぅ・・・!体がっ!体がうごかんだと!!」 ガルゼは1本の指も動かせないほどの力で魔法陣に縛りつけられ声を上げることしかできない。 「・・・・あれ?俺・・は・・?・・!」 イリアが神術(しんじゅつ)を使い、全回復した仲間達の意識が戻り、次々と起き上がる。 最初に起き上がったレイがイリアを見た。 「・・・!イリア!その格好!!」 「――――――!!」      仲間全員がイリアを見る。 .
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