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傘が折れた。
だからと言って自然に折れたわけではない。
外は雨が降っているというのに…。
「どうしよ…」
駅の軒下で私は難問に差し掛かった。
傘が開かないという理由で、大胆にもそれを大きく振りかぶり、さらに勢いよく振り下ろしたのだ。しかしそれが原因で折れたわけではない。
私の足下にうつ伏せで倒れている男性が一人。
傘もこの人も、どう対処すればいいのだろう…。
それは少し時間を遡る―
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