11人が本棚に入れています
本棚に追加
君は何が欲しいの?
小学5年生の子供に聞いてみる。
学力、学力が欲しい。
そんな彼に僕は学力が上がる装置を渡す。
この後、彼は天才児って言われて良い大学にいったらしい。
次は何が欲しいの?
大学を卒業した青年に聞いてみる。
うーん、金がいっぱいもらえる職場かな。
青年は満足げに答える。
そんな青年に僕は給料がいっぱい貰える職場に就職させる。
青年はそこで活躍し“社長”と呼ばれる様になったらしい。
次は何が欲しいの?
悠々自適な暮らしをしている中年に聞いてみる。
美人な女かな?今の妻は飽きた。
中年はでっぷりとしたお腹の前で手を組み、高笑いをしながら答えた。
そんな彼に僕は美人な女アンドロイドを送り込んだ。
どんな世話も料理も全ての事に置いてパーフェクトなそれ。
でも、中年はそれには触れようとせず、飽きたと言った妻と喧嘩ばかりしている。
次は何が欲しいの?
皺くちゃな顔になった老人に尋ねてみる。
寂しい。
そう言って老人は動かなくなった。
寂しい?それはどんな望み?一体どんなもの?
スーパーコンピューターを備えた頭脳で考える。
辞書で検索してみたり、歴代の哲学者の言葉を調べたりしてみる
青い皮膚が錆びて来ようと、身体の調子が悪くなろうと。
必死になって調べる。
いよいよ身体が動かなくなってきた時。
それでもわからない。
サび……シイ?
とある猫型ロボットの現実(リアル)
最初のコメントを投稿しよう!