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やっと、帰り着いた家は明かりが消えていて物寂しい感じがした。
「麻美?居ないの?」
電気を点けて一通り部屋を見回っても誰も居ない。
おばさんは今日夜勤って言ってたからいいけど、麻美買い出しから帰ってないのかな。
…寝てる………のか?
部屋には入るな
って良く怒られてたけどお腹空いちゃったし。
「麻美ぃ、入るよー?」
2回ノックしても返事のない部屋。
開けて電気を点ける。
…………居ない……。
淋しい……。
母さんと父さんが居なくなった時みたい。
麻美が熱出して、その日皆で行くはずだったおばあちゃん家に母さんと父さんだけで行った。
俺は麻美の面倒で置いてかれた。
父さん達は、その帰りに曲がり角で大型トラックと衝突。
壁と大型トラックに挟まれた車はぺしゃんこになっていた。
子供心には強烈だった。
いい子にしてるのよ?
なんてはにかんだ笑顔で母さんは言って、名残惜しそうに見る俺達を置いて行った。
それが最後。
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