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麻美は泣いて、父さん達を家中探してた。
俺は何もしなかった。
待ってたらいつもの様にただいまって玄関から帰って来る気がしたから。
引き取り手も居なかった。
駆け落ち結婚した父さん達は身内なんて物とは縁が切れてて俺らは本当に置いてけぼり。
そんな時におばさんが来た。
ニュースで見て驚いたって涙ぐみながら言ってた。
あの時のおばさんまだ若々しかったな。
麻美の部屋で思い出にトリップしてて気付かなかったが、変なのがある。
「……コーヒー、ゼリー?」
食べかけのコーヒーゼリー。
その近くに鞄も置いてあり、制服はきちんと掛けてある。
てことは麻美は家に一回帰って来てるんだ。
「何これ?」
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