5 骨折再び

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骨折にはもう懲り懲り。そう思っていたはずなのに、やっぱり懲りない私だ。 中学2年の時。 その頃はもう団地から一軒家に引越しており、家では犬を飼っていた。 うちの犬は中型犬の雑種だが、とてつもなく元気だった。そして躾がいまいちできていない。 毎日の散歩もリードを引っ張られ、走る犬につい ていくのはとても大変だった。 そこで私は、自転車で散 歩をすることにした。 そういう人を何度か見たことがあったので、自分にもできるだろうと思っていた。 1日目、2日目は良かった。 だが、3日目。 過去2日間と同じように自転車で散歩をしていた。 すると、不意に犬が自転車のタイヤの前を横切ったのだ。 突然のことに私は対応しきれず、犬に引っ張られる形で、自転車ごと転倒してしまった。 左腕に激痛が走り、痛みのあまり声も出なかった。 今回はわかる。 レントゲンを撮らなくても、骨が折れているのだとわかる。 実際折れていた。 しかも、医師の説明だと、手首の骨の端の部分が四角に折れて離れてしまっているという。 一応複雑骨折になるらしい。 しかも、治るまで離れた骨をボルトで固定しておく必要があるという。 それには手術をしないといけないので、念のために入院することになった。 …のだが。 それは、学校の中間テストの期間中の出来事だった。 そして、テストは次の日が最終日だったのだ。 成績に響くのが嫌だった私は、手術を一日伸ばしてもらい、骨折した腕で最終日のテストを受けたのだった。 折れたのが利き腕じゃなかったことが救いだった。 とはいえ、片腕でテストを受けるものではないなと思った。 その時の骨はきれいにくっついたが、手術の傷は2cm程度だが今でも残っている。 さらに、その後遺症か、左腕はあまり重いものを持つと痛みがあったりする。 自転車と一輪車には気をつけようと思う。
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