4 人生初の骨折

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それは、小学6年の時のこと。 私はよく一輪車に乗って遊んでいた。 自分で言うのもなんだが、結構得意だったのだ。 その日、私は一人で団地の前のスペースで一輪車に乗っていた。 既に前進することは苦もなくできたので、バックの練習をしていた。 というかバックもほとんどマスターしていたので、どこまで行けるか、試していた。 多分、団地の端から端まで行けるくらいの腕はあったと思う。 ただ、不幸だったのは、障害物に気付かなかったことだ。 調子に乗って一輪車を後ろ向きにこぎ続ける私。 そこには工事現場に置いてあるような、三角のコーンが転がっていた。 だが、後ろ向きの私は気付かなかった。 障害物にぶつかった私は、そのまま後ろ向きに転んでしまった。 有り得ない痛みが左腕に走った。 後ろ向きに転んだ私は、とっさに手をついたのだが、その腕が痛い! 痛みで涙がボロボロこぼれた。 元々怪我なんて日常茶飯事な私だ。 転んだくらいで泣くはずがない。 だが、とにかく痛いのだ。その痛みときたら、表現することもできない。 残念ながら周りには誰もいなかったので、私は痛い腕を抱えて、自分の足で階段を昇り、家に戻った。 幸い家には母がいたので、車で整骨院に連れて行ってもらった。 診断の結果、骨が折れているかもしれないとのこと。 だが、そこは小さな個人経営の整骨院。レントゲンが撮れなかったので、20分離れた整形外科まで車で走ることになった。 レントゲンを撮ってみると、やっぱり骨が折れていた。 生まれて初めての骨折。 とてつもなく痛かった! だが、骨折の苦労はそれだけではない。 その夜は腕が腫れて、痛みで眠れず、悪夢のような妙な夢を見た。 さらに、それは5月の出来事だったのだが、治るまでの間付けっぱなしのギブスがこれまた暑い! しかも、ギブスがとれる前に修学旅行が来てしまった。 それも、行き先は東国原知事で今話題の宮崎県、シーガイア内のオーシャンドーム…。 室内プールだ。 せっかくの修学旅行だったので、完治前の腕だったが仕方なくギブスを外し、なんとか楽しんだのだった。 骨折はするものではない。
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