一章

7/9

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
どうやらこちらに向かっているらしい、普通の人たちが私に向ける目はただ、非情なまでに冷たい、実際にそうでないとしても、私にはそう感じられた。 だから、私は彼らには近付きたくはない、しかしそれは既に遅く、彼らの足並みはこちらへと向かう。 彼らは声がはっきり聞こえる位置にまで来ていた。 「これからどうする?」 「まだ時間あるしどっか行こうよ」 よく見るとその集団は男女ともに同じような模様の服装、そして私も……。 つまり、彼らは私と同じ学校の生徒、もっとも私は、入学式以来一度も行ってはいない。 「ん?誰かいるぞ?」 グループの中で一番背の高い男子の反応を見て、私が見つかったことに気付く。 「やだ、怖いからやめてよ」 「あれ、うちの制服……?」
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加