一章

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免疫や臓器の働きが普通の人より弱く、激しい運動や、大きな怪我、風邪でさえ私にとっては危険なのだ。 だが体は自由に動くし軽く走るぐらいならば問題はない。 しかし、自分でも自覚はしているが、体は病的なまでに華奢で、顔色も良いとは言えない。 普段の生活に特別支障はない、他人からすれば、異常はないのかもしれない。 だが、年に一度程度のペースでひどい発作が表れ、入院する事がある。 学校も休みがちで、それが原因で小中ともに友達と呼べる人はいなかった。 医師によれば症状が悪化していて、もってあと数年の命…… だが、私は絶望したりはしない。 この単調で堕落した希望のない日常に終止符を簡単に打てる。 死にたい訳じゃない、ただ、生きたいとも思えない。 そんな私がここにいる。 それが今の私だ。
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