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そうして暮らしていたある夜、あの時と同じ荒い息遣いが聞こえたのです。 必死に耳を塞ぎますが、漏れる切ない声音はわたくしの耳を容赦なく刺激しました。 また父かと思いましたが、父と母は旅行でおりませんでした。 本当に二人は仲が良いのです。気持ち悪いくらいに。 そして残されたのは、わたくしと、兄と姉だけです。あのメスの生き物は父がいない日には家にいないのです 規則的に軋むスプリングと絶えず聞こえる女の声 それは、兄と姉の禁じられた行為でありました。
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