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わたくしが家に帰るころには、家はいつもの雰囲気に戻っておりました。 私だけが違っていたのです。 母に今日のことを伝えようとしましたが、いざ母の笑顔の前になると声が出なくなりました。 それからもわたくしは幸せな家族のままでおりました。 父を母を、兄を姉を、家族を愛する幼い少女でいたのです。 しかし内側は汚されておりました。人間の一番醜い感情によって……
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