10405人が本棚に入れています
本棚に追加
「雅ッ!」
「瑠琉香ちゃんッ!」
―春。
目に映る鮮やかな季節がやってきた。
無事高校生から大学生という枠に収まった俺達。
母校にて待ち合わせをしていた瑠琉香ちゃんを見つけて走りだす。
卒業するまでに至っては、瑠琉香ちゃんと一緒に何回も泣いたっけ。
「遅いよ。」
そう言いながらも優しく微笑む可愛らしい彼女。
遠山 瑠琉香
胸元まで真っ直ぐに伸びた長いストレートの黒髪、それに包まれた小柄で華奢な体。整いすぎているくらいの可愛らしい顔。
桜色の唇から紡がれる言葉には―…
「ぶっ殺す。」
―いつだって
毒が含まれている。
あぁ、いつになっても健在だなこの痛さ。
「ご、ごめん…。」
そう言い、若干怯えながらも笑う俺の名前は
菊地 雅
いつだって瑠琉香ちゃんに頭が上がらない、情けない男です。
自分で言ってて悲しい。
…それでも
「やだ。許さない。」
「ちょ、瑠琉香ちゃーん…。」
それでも俺は
ずっと変わらない瑠琉香ちゃんが大好きです。
最初のコメントを投稿しよう!