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影がなくなるくらいの光の元、日高陽大は歩いていた。
陽大は、柔らかそうな、蜂蜜色の長めの髪を汗ばんだ手で気だるそうにかき揚げた。
(なんでこんなことしてるんだっけ…)
その仕草で、脳味噌が溶けるぐらい、頭に光を浴びさせたことに気づく。
夏の昼間、じわりじわりと、目眩を覚えるような熱気を帯びたアスファルトの上、一人きりでだらだら歩いている訳は、自分でも、言わずと知れてたことだ。
(寝坊しなきゃよかった…)
誠意で持ってこうして歩いているが、このだらだらしたペースでは、陽大の遅刻記録はぐんぐん延びることが予想された。
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