影のない外光

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 ふっと、青葉の爽やかな匂いがした。 木を柔らかくなぞった、あまりないそよ風に、神経の苛立ちが浄化される気がした。  風にさらわれひらひらと、陽太の頭上を泳ぐように、何かが落ちてきた。  陽太は、視界に入ったそれを見上げた。 「…えっ?」  陽太は、瞳孔が大きくなりすぎて切れるかと思った。 (嘘だろ?)  目の前が、動悸が止まったと思った。
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