blood+1 はじまり

2/3
前へ
/160ページ
次へ
 私立紅花高校。  それが今日から佐倉織音が通う学校。  だけど、高校1年の5月。この微妙な時期に転入してくる自分を、クラスの皆ははたして受け入れてくれるのだろうか、と思い詰めていた。  寮に手荷物を置き、理事長室に向かおうと校舎の中庭を歩いていると、何やら怪しげな声と音が聞こえてきた。  気になってチラリとその音のする方へ目を向けると、それが一人の女子生徒と男子生徒のいわゆるラブラブした光景だと気づき、急いで目線を前に戻す。 ――……ん?今、男の人、女生徒の首に思い切り噛みついていたような…… キーンコーンカーンコーン  だが、その時チャイムが鳴り、理事長室に慌てて向かった。  実は登校初日の今日、運悪く寝坊をしてしまったのだ。
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6272人が本棚に入れています
本棚に追加