blood+5 蒼い瞳

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「ねぇ、ちょっと噂で聞いたんだけどさ……ほら、1組に来た新入りの、そうそう。あの人実は、まだ……」  自分に関する噂が出回っているのも露知らず。  工藤蓮との言い争いから、もう3日経っていた。  あれから織音は、蓮に会っていない。  昼の鐘の音が鳴ったらすぐさま購買に行ってパンを買い、すぐに屋上に行くのがここ最近の生活だった。  なぜなら、教室にいれば、色々な人になぜパートナーのところに行かないのか、問われるからだ。  もういい加減、慣れてきたが、ひとつ考えたこともある。  やはり、会長の工藤蓮は、それなりにみんなに慕われていて、尚且つ、血を飲んでいないことに皆心配をしているのだ。  そして、血を飲んでいないと、吸血鬼はとても暮らしていけないという。    そんな内容の会話を聞いてると、少し後ろめたさも感じた。  もちろん、工藤蓮はつらそうに見えなかったから、本当か分からないが、相手も意地を張っているとしたら?  私の方も……と、織音は思った。  こんな意地を一体いつまで張れるのか。このままでは、クラスから疎まれ、会長に血をあげない卑劣な人間と思われるかもしれない。  現に、もう思われているかもしれないが。  そう思うと、自分の意地が馬鹿らしくなってきていた。  雛にも、色々と話を聞いた。  もうそろそろ、この生活を受け入れなくてはいけないのかもしれない。  雛が隣で、最近できたレストランの話をしているときに、そんなことを考えていた。  今は、移動教室の授業が終わり、クラスに戻ろうと階段を上っていた。  階段を上り終えた時だった。  織音の前に、女子生徒が四人立ちふさがったのだ。
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