特効薬は愛

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知念side ミィーティングのあと、僕は汚れたタオルやジャグを洗いに水道に言った。 すぐ横をさっき試合したチームの3人が通った。 あんまりいい気でもなかったから、目を合わせない様にした。 けれど、その人達は僕に向かってきた。 「あれーさっきのチームのマネージャーさん?」 体がびくっと震えた。 1人の人が肩を組んできて、 「あの後、俺らがどんだけ怒られたか分かってんの?」 と耳元で囁いた。 「まじ腹立つ。」 「調子乗ってんな!」 ぐちぐちと言われて体が震え出した。 「あ、勿論、君に言ってる訳じゃないからね。」 と僕に笑いかけた。 「可愛いマネージャーさん揃いで良い身分だよなーぁ。」 「君、可愛いからさ。」 と不気味に微笑んで、僕の手を掴んで、みんなのいる方とは逆の方に連れて行かれた。 知「離し…て。痛っ…」 声をだしたくても出ない。 「大丈夫だってー…怖くないから。」 と非常階段の辺りまで連れて行かれ、 やっと手を離した。 肩を急に押されて、尻餅をついた。 「男子校でしょ?なら、経験くらいあるよね?」 と上を向かされた。 必死に首を横に振る。 「…なんだ。まだなんだ。」 とにやにや笑って、僕の肩に顔を埋めた。
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