No-1

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  『ねぇ…』     薄暗い部屋の中、ベッドに横たわる君と二人きり。     俺は、普段見ないサスペンスドラマをつけて隣に居る君に尋ねた。     『…アイツのこと、本当は好きなんだろ?』     すると君は時間を少しおいて       『…何でそう思うのよ?』     と聞き返してきた。     思ってた通りの答え。でも、期待はずれな答え。     TVの音で掻き消そうとしても、小さな君の声の方が100倍位大きく感じた。     『なんでって… 男の勘ってやつ?』     本当は君の指を見て気付いていた。君がアイツに会ってないっていっても、アイツが嫌いだと言っても…何も身に付けてない薬指の指輪の後が消えなかったから。       『男の勘ってのもあるんだね。』     ふふっと笑って、君は自分の背中を俺の背中に擦り寄せた。  
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