再会

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次の日、結局一睡も出来ずに登校する事になった。 何も無かったように接する姉と彼氏。 けど、秘密を知ってる私は会話の全てをシカトしていた。 「今日機嫌悪い? それとも、具合い悪いとか…大丈夫?」 彼氏の心配そうな顔も、今は嘘に見えてしまう。 だから、決めたんだ。 「先輩、私と別れて下さい」 放課後、部活をしている先輩に言った。 「…え? あ、え…っと…嘘だよね? ちょっ、ちょっと待って!」 急な一言にかなりびっくりしている。 理由を聞かれても、本当の事なんて言えるわけない! 「もう一回考え直してよ。 考えが変わったら、連絡頂戴! 俺、待ってるから」 悲しそうな顔で言われても、答えは変わらない! 悲しいのは、私と本当に別れたくないから? それとも、姉に会えなくなるから? そんな事を考えながら、グラウンドを後にした。 それきり、先輩とは目も合わす事もなくなった。 私の初恋は終わった。
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