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二人の睨み合いが続いた。
「ハァ~っ」
ため息と共に椅子に座る。
負けたのは高木。
「楓ちゃんには勝てないっしょ…」
テーブルにうなだれる高木。
「あの、すみませんでした!
失礼します」
我に返り、そう言うとカバンを持って、店長に頭を下げる。
「合格!」
ドアに手を伸ばした瞬間、後ろから声がした。
高木ではない声。
空耳かと思い、一度止めた手を再び伸ばす。
「明日から出勤してもらえる?」
店長の声がまた聞こえる。
「え、良いの?
ヤッター!!」
高木の声と、椅子が倒れる音がした。
振り向くと、両手を上げて笑顔の高木が立っていた。
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