ひまわり

3/8
前へ
/393ページ
次へ
「何で?」 高木が悲しそうな表情で聞いてくる。 「心不全だって…。 起こしに行ったら冷たくて……けど、信じらんなくて…」 無意識に涙が流れているに気付く。 ハンカチを出そうとした時、全身が温もりに包まれた。 「辛かっただろ…。 婆ちゃんの事、一番好きだったもんな」 高木の声が頭の上から降ってくる。 高木に抱き締められている事にようやく気付く。 「楓は頑張り屋だよ…。 大丈夫、泣かないんだよ」 お婆ちゃんの口癖と、大きな手が頭を撫でてくれる。 カラオケのロビーだって事を忘れ、高木の行動に涙が止まらなかった。
/393ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加