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「何で?」
高木が悲しそうな表情で聞いてくる。
「心不全だって…。
起こしに行ったら冷たくて……けど、信じらんなくて…」
無意識に涙が流れているに気付く。
ハンカチを出そうとした時、全身が温もりに包まれた。
「辛かっただろ…。
婆ちゃんの事、一番好きだったもんな」
高木の声が頭の上から降ってくる。
高木に抱き締められている事にようやく気付く。
「楓は頑張り屋だよ…。
大丈夫、泣かないんだよ」
お婆ちゃんの口癖と、大きな手が頭を撫でてくれる。
カラオケのロビーだって事を忘れ、高木の行動に涙が止まらなかった。
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