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家に帰り、仏壇に手を合わせた高木は、すぐに私を連れて家を出た。
バスに乗って、ある場所に着いた。
バス停から歩いて10分……。
「うわぁ……。」
声が出てこなくなった。
そこには、一面の向日葵が咲いていた。
「楓ちゃん、向日葵好きだったでしょ?
俺の母さんのお墓がすぐ近くにあったんだ。
小さい頃、よく楓ちゃんの家族と婆ちゃんと、みんなで墓参りしてくれてた。」
高木が言った。
そっか……。
あれは旅行じゃなくて、高木のお母さんの墓参りに来てたんだ……。
「俺の母さんは、小さい子供を庇って事故にあった。
で、亡くなったんだよ。
その庇った子は……楓ちゃんだった。」
嘘みたいな話し。
自分を庇って事故にあった?
私が原因でお母さんが……。
私の頭の中は真っ白になった。
私は人殺しなんだ……
だから誰も優しくしてくれないんだ……
頭の中でそう纏まった。
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